市立魔法専門学校

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 今更ながら『化物語』を見始めたのですが、いやはや…。演出が素晴らしいです。特に第5話「まよいマイマイ 其ノ參」のエンディングへの流れは今期見ているアニメでも屈指の出来だと思いました(『咲 -Saki-』の17話、『狼と香辛料Ⅱ』の7話も良かったけど)。3話構成を活かしきった、「話しかけないで下さい」で始まり「話しかけて下さいね」で終わる、大して深い意味のないセンテンスに痺れる物語。OP・EDの使い方も文句なしです。
 シャフト臭(新房臭?)が嫌いでなければ、是非視聴してみて下さい。できれば、一つのエピソード(「ひたぎクラブ(2話構成)」や「まよいマイマイ(3話構成)」)は連続で。その方が絶対に面白いはずですから。



 エロゲーのレビューなどで「素材は良いが、調理に失敗した」というフレーズをよく見かけます。大抵、「調理=シナリオ」「素材=それ以外のほぼ全て(主に絵)」という感じで使われていますが、僕の感覚だとこれとは少し違っていて、「調理=演出」「素材=それ以外のほぼ全て」という感じになります。
 ようするに、テキスト(シナリオ)も、素材の一部に過ぎないと思うわけです。

 料理というのは、素材が多少悪くとも調理が上手ければある程度誤魔化せます。両方とも一等なら、そりゃ美味しいでしょう。ただ、いくら素材が良くとも、調理が下手なら料理は不味くなります。
 なので、僕にとって料理の決め手は調理、つまり、僕にとってのエロゲの良し悪しは演出にかかっています。

 そもそも「演出」って何なのと問われれば、

えん‐しゅつ【演出】
1 演劇・映画・テレビなどで、台本をもとに、演技・装置・照明・音響などの表現に統一と調和を与える作業。
2 効果をねらって物事の運営・進行に工夫をめぐらすこと。「結婚式の―」「―された首班交代劇」

とのことなので、エロゲに当て嵌めれば「絵・文章・音などの材料を上手いことくっつけてゲームにする作業」みたいなことなのだと思われます。
 これ、かなーり幅広く当てはまる訳でして、言うなれば、まともなエロゲをプレイしていれば、(ウマイマズイは別として)常に演出を味わっているんですよね、プレイヤーは。
 (立ち・一枚)絵が出るタイミング、表情パターン、かかっているBGM・SE・ボイス、表示テキスト…etc。そういったものが組み合わさった連続がエロゲーなのだとしたら、どこを切り取っても、演出されていない部分なんて無いことになります。
 だからこそ、僕は演出こそが鍵を握っていると思うのです。

 今日は、そんな、僕の独断に基づいた、優れた演出を感じたエロゲを紹介してみたいと思います。
 (※今回はそれぞれの作品のネタバレを含みます)


媚肉の香り ネトリネトラレヤリヤラレ(elf)

 僕がこのゲームで最初に感じた演出は「最初から始める」を選んだまさにその直後でした。ヒロインの一人である乙葉の太もも部分を極度にアップしたCGが表示される場面です。

 この「局部アップ」。elf作品をプレイしている人にはお馴染みのものでして、僕がやった最古のelf作品『同級生(1992年)』で、もうそれに近いものがあったように思います。以後の作品にも同様の局部アップCGはよく見られ、エルフ作品には付き物という印象があります。
 …それこそが、今作に仕掛けられたギミックだとは思いもよりませんでしたよ。

 というのも、elfの過去作品における局部アップは、主人公自らが見ることによってCGが表示されることが殆どだったのですが、今作に限っては“見せられている”んですね。

 (以下、激しいネタバレあります)

 プレイ済みの方はわかると思いますが、香織が目的を果たすために必須なのは「あくまで主人公に犯されたor主人公主導の下に抱かれた」という事実でした。よって、自らが直接的に誘うことはタブーとなります。香織は、さも自然にしながら、主人公を駆り立たせる色気を振りまく必要がありました。
 そこで、香織は無意識を装って主人公に下着や胸を見せ付ける訳です。

 この時点では、主人公は勿論、殆どのプレイヤーに香織の真意はわからないわけですから、これを「いつものelf的演出」と思い込んでしまうんですね。無防備な人妻を主人公が覗いた、単なるフェティシズムに基づいたCGだと。
 けれども、これは、主人公を焚き付けるための、香織による意識的な罠だった訳です。

 後々にこの事実を知った時、elfの過去作品を経験しているプレイヤーの心理を逆手に取った見事な演出だと感心したものです。作中の地下倉庫を整理するところで、乙葉が主人公の気を引こうとするシーン(胸アップCG)は、「局部アップがキャラクターによる意図的なもの」ということを仄めかしていて、真相に近づくためのヒントとして用意されていることを踏まえれば、尚更。

 (極ネタバレ終わり)

 キスシーンをはじめとした、無音の使い方。そして、音楽を入れるタイミング。それ以外でも、そこかしこで演出が効いていました。
 作品内容を熟知している脚本家が演出家も兼ねていたからこそ、ムラの無い、新生elfカラー豊かな作品になったのではないかと僕は思います。


らくえん(TerraLunar)

 オタ感溢れるスラップスティックな作品として有名な『らくえん』ですが、実に演出が凝っている作品でもあります。特に、テキストと音への拘りは半端なく、名シーンとして名高いコミフェの解説をはじめ、各個別ルートにおけるクライマックスにかけての、何ともいえない切なさ・喪失感は、演出の賜物と言っていいでしょう。

 特徴は、テキストをはみ出させた点です。エロゲのアドベンチャーの殆どは、いわゆるテキストボックス(枠)の中の数行によって、物語が綴られます。けれども、この『らくえん』は、時に画面を一杯使って文字を表示させ、場面を印象付けます。

 また、平時ノリの良い場面で多様する激しいBGMをしっとりとアレンジすることは、原曲が耳に残っている分、余計にしんみり感を与えることに繋がっているんですね。落差という奴です。

 これら二つが同時に使用される威力といったら。そこに声優の名演が加わる破壊力といったら。
 『らくえん』は、ある意味演出ありきの作品ではないかと僕は思うのですが、いかがでしょう。


スマガ(Nitro+)

 『スマガ』が演出に拘り抜いて制作された作品だというのは、ゲーム内に漂う濃い雰囲気で察することができると思います。統一感溢れるデザイン、リベンジ時の決め台詞ならぬ“決めBGM”、メタ感を出すためのTV的演出など、あらゆる部分において『スマガ』してます。

 中でも溜息が零れたのが、エンディングムービーにおいてスタッフロールが流れるタイミング。文章で説明するのは難しいのですが、曲の1番が終わった後の、間奏中の曲の僅かな隙間を狙って、本当にここしかないタイミングでスタッフロールが下から上へと流れてくるんですよ(ムービーの2:01~2:02くらいのとこ)。
 正直ここだけで僕は5点プラスしたようなものです。

 はっきりいって何言ってんだか良くわからないと思いますが、ようするに僕が勝手に変にツボっただけです(…1000人に1人くらい共感して欲しい様な気もするけど)。


 とまあ、とりあえず3本ほど僕の好みの演出作品を選んでみました。いずれも批評空間内でなかなかの評価を得ていまして、もしかしたら「良演出ゲー=良ゲー」という図式は成り立つのかな、なんて思いますが、そこまで傲慢になれる程の理論とソースはないので、保身と炎上防止の為に止めておきます。
 演出自体、かなり曖昧で好みの問題ですしね。

 とりあえず、僕がシナリオなんて大して読んでいないってのだけは伝わったでしょうか。調理がある程度上手ければ誤魔化されちゃうんですよね、僕の舌じゃ。
 化学調味料って怖いです。どれも美味しく感じちゃうようになるのですから。最後の一口が美味しければどこか満足している自分がいますし、ここ最近はホントにそんな感じです。
 …麻痺しちゃったかな。
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